雅也の言葉に、私は思わず目を丸くした。

大志は、美園のこと好きなの……?

そう言われてみれば、

思い当たる節はいくつもあった。

学校でいつもじゃれ合う2人の姿。

美園の別荘での2人の夕食作り。

そして、―――今の大志の姿。

私はそうっと大志の方を見た。

大志は唇を噛み締めながらも、

頬がほんのり赤く染まっているように見える。

静かに息を吐いてから、

大志が雅也を真っ直ぐ見つめて思い切り叫んだ。

「そうだよ! 俺はずっと美園を見てきたんだ!

 ずっとずっと……。

 それなのに、……こんなのって、ありえねぇよ!」

胸の奥にしまっていた熱い想いが

大志の中から溢れ出てくる。

どれだけ美園のことを強く想っていたか、

大志の頬を伝う涙がそれを物語っていた。