外は相変わらずしとしとと雨が降り続いている。

まるで梅雨に逆戻りしてしまったような雨だ。

じっとりとまとわりつくような湿気が、

少しだけ気持ちを憂鬱にさせた。

店先に置いてあった傘を手に取り、

それぞれが傘を開く。

そしていつものように4人が横一列になって歩き始めた。

その時だった。

私たちの歩みを邪魔するかのように

1台の黒光りする車がぴたりと止まった。

「な、なに……?」

私の口から思わず声が漏れる。

イタズラにしてはかなり危ない運転に、

私は驚きを隠せない。

一歩間違えば、

誰かをひいてしまいそうなほど強引な運転だったから。

その不審な車の運転席から1人の男性が出てくる。