「みんな食べ終わったし、そろそろ帰ろうっか。

 お店の人にも悪いだろうしね。」

私が辺りをぐるりと見回しながら言う。

すっかり食べ終わった私たちが

お店に長居するのは良くない気がする。

私の言葉に美園はこくんと頷く。

大志も美園の後を追うように

「おう」と言いながら席を立つ。

雅也もまた無言ではあるけれど、すっと席を立った。

「じゃ、行きますか。」

美園の掛け声を合図に私と美園が立ち上がると、

カウンターにいる店員さんに軽く会釈して

『CANDY』を出た。