「今度、羽衣ん家に遊び行っていい?」

美園が前のめりになり目をキラキラさせながら訊く。

その姿がすごく可愛くて私は自然と深く頷いていた。

「いいよ。今度、家に遊びに来て。」

これからは胸を張って家に誘える。

堂々と私の大好きなヨウをみんなに紹介できる。

「行こうぜ、行こうぜ。

 みんなで羽衣ん家に押しかけるぞ。」

大志は今にも飛び跳ねそうなほど

大きく伸びをしながら声を弾ませた。

「もちろん、雅也も行くよね。」

美園が雅也に視線を向けて訊ねる。

すると雅也は聞き取れないほど小さな声で

「あぁ」と返事をした。

雅也が私の家に来てくれる。

いつも学校帰りに

家の前まで送ってもらってはいたけれど、

家の中に入るのは今回が初めてだ。

そう思うと、私の胸の鼓動が高鳴る。