どんな子―――

私は思わず息を飲んだ。

本当のことを言ったら、

2人は一体どんな顔をするんだろう。

手のひらにじんわり汗がにじむ。

その手をぎゅっと握り締め乱れ始めた呼吸を整えると、

私は小さく頷き決心してから口を開いた。

「ヨウはね。実は……、普通の子じゃないの。」

「フツウじゃないって?」

今度は大志が最後のコーンを食べながら訊く。

私は美園と大志、交互に視線を合わせる。

「ヨウはね、―――知的障がい者なの。

 見た目は同学年の子と全然変わらないんだけど、

 知能が小学4年生くらいしかなくって、

 こだわりが強くて……」

平静を保とうとしながら言っているのだけれど、

どこか口から出る言葉が微かに震えてしまう。

また、あの時みたいになったらどうしよう。

そうなったら、私、

もう立ち直れないかもしれない。

そう身構えていたら、

美園と大志から驚くほど大きな溜め息が聞こえてきた。