私の切り出した言葉がぽかんと宙に浮く。

そのまましばらくの間、

誰も口を開こうとはしない。

なんとも言えない空気にたまらなくなり、

私はそのまま言葉を続ける。

「あのね、私には弟が1人いるの。

 ……今、中学2年生で、名前は耀紀って言うの。」

美園と大志の反応が怖くて、

早口気味に言い切った。

少し息の上がる私の肩を、

美園が優しくぽんぽんと叩く。

「そうならそうって言ってくれなきゃー。

 ヨウキ君か。羽衣の弟クンって、どんな子なの?」

美園が興味津々に目を輝かせながら訊く。