予想もしいていなかった私の言葉に、

美園も大志も目を丸くして私を見つめる。

「黙ってたことって……なんだ?」

口の周りにチョコをつけたまま大志が訊ねる。

その口調が穏やかだったことに

私の心は少しだけ軽くなるのを感じた。

「えっとね。……私の家族のことなんだ。」

「家族?

 羽衣の家族って、確か両親と3人家族だったよね。」

美園は思い出すかのように

視線を上へと向けながらそう言った。

それに対し、大志が大きく頷く。

「だよな。それがどうした、羽衣。」

美園と大志の視線が真っ直ぐに私へと向けられる。

少しの間の後、

私は意を決して2人に向かってこう切り出した。

「私ね、実は……一人っ子じゃないの。」