いつもの席に座ると、

私たちは一斉にソフトクリームを口に運んだ。

素材そのもののとても濃厚な味が、

口いっぱいに広がる。

美園も、大志も、

にっこりと幸せそうな表情を浮かべながら食べ進める。

ただ、

雅也は相変わらず無表情のまま口に運んでいる。

一見、口に合わないのかと思ってしまうけど、

雅也の食べるスピードを見ると、

そうではないことが伺えた。

私もまたモカを少しずつ舐める。

みんなにばれないように呼吸を整えながら。