普段よりも明るく話す美園の姿に、

胸の奥が苦しくなる。

きっと私が想像するよりも大変なんだろうな。

親によって決められた“婚約者”のために、

自分自身を犠牲にするなんて、

美園の心は大丈夫なのだろうか。

キョロキョロと楽しそうに視線を動かす美園に向かって、

私は大きく頷く。

「うん、いいよ。私もみんなと一緒に過ごしたいし。」

私の言葉に、今度は美園が大きく数回頷く。