それ以上、

みんな美園のことにつっこむことはなかった。

いや、私たちはある程度想像できていた。

だからこそ、

その話題を振らないようにしたのだ。

きっと美園だって、

そのことに気付いているはずだ。

でも、誰ひとりそのことに触れようとはしなかった。

ひまわりのような眩しい笑顔を見せながら

美園が言葉を続ける。

「今日の放課後、いつものトコいかない?

 私、毎週水曜日はフリーにしてもらったし。

 それに、もう来週には夏休みに入っちゃうし。

 そしたら私、多分、

 みんなとなかなか会えなくなると思うし、ね。」