「美園、おはよ。」

少しおどけながら横から顔を出した私を、

美園は深い溜め息で迎えてくれた。

遠くを見つめるその視線は不安定でどこか頼りない。

「どうしたの? 美園、何かあったの?」

席へと座りながら私は美園に問いかけた。

そんな私たちを心配してか、

大志と雅也が寄ってきた。

美園は、遠くを見つめたまま

さらに大きな溜め息をつく。

「なんかさ……、どうなのかなって。」

美園のその言葉の意味が汲み取れず、

私が返答に困っていると、

大志がぶっきらぼうに、

「なにがだよ。」

と訊きかえした。