雅也だ。

放課後は4人で集まることが多いこともあって、

いつも私の家の前まで一緒に帰るのだけれど、

登校する時、

不思議なことに一度も一緒になったことがない。

“家が同じ方向”のはずなのに、なんでだろう。

学校に着く時間もほとんど雅也と変わらないのに、

なんでこれまで一度も会うことがないんだろう。

今日だって、

雅也と会うことなくもうすぐ校門をくぐろうとしている。

雅也は一体、どうやって登校してるんだろう。

そんなことを思いながら、

瑞谷学園と大きく書かれた校門をくぐる。