それは、組長……いやお父さんに私が初めて勝った日の事だった。



私が中学生に上がった頃。



『お父さんっ!希依強くなったよっ!勝負しよっ!』



私はどこにでもいるような無邪気な子供だった。



「いいぞ〜!どっからでもかかってこい!」



お父さんのその一言で始まった真剣勝負。


笑顔だったはずの私の顔からスッと表情が無くなる。


その瞬間家全体の空気が凍った。


それは……無邪気な少女とは思えないぐらいの殺気だったらしい。