「爽やめろっ!!!それ以上やったらそいつ死ぬぞ!!」



いつもなら絶対に聞く総長の声すら届かずに止まらない手。



――パシッ



『離せっ!!!』



でもその手を止めたのは希依の父だった。



「爽くん。気持ちはわかるがそれ以上やったらこいつと同じになってしまうぞ」



俺はそこでやっと我に返った。


目の前には顔の原型がわからなくなった人間が一人。


そのグロさに思わず後ずさりする。



『す、すいません…』



俺はそう言ったのを最後に意識を手放した。