「希依ちゃん……あの組ってもしかして……」



爽の言いたいことは分かる。


こないだ話したしね。


最後まで言わないのは爽なりの優しさなんだと思う。



『そうだよ。あいつ…乱条組が私のお姉ちゃんは殺した組』



「やっぱりか…とりあえず希依ちゃんの家行かなきゃね」



さすが爽。よく分かってる。



『そうだね。少し急ごう』



なんで今日に限って歩きで来ちゃったんだろう……


バイクで来なかったことを後悔する。


 
『爽!!走るけど大丈夫?』



「全然大丈夫。急ごう」



そうして私たちは家まで全力で走りだした。