「~~~!!」

手でぎゅっとシーツを握ってブレーキをかけた。

あっっっぶなああああ!!

てか手がいたい!!


「って、早く逃げないと!」


まわりをみる。

幸いなことに建物の裏側らしく、不良の影はない。

とりあえず、走った。


「ちょ!逃げてますよ!?」

「はあ!?」


猫目の美女の声とレンの声。

思わず後ろを振り返った。



「「―――!」」


猫目の美女とレンは、窓際にはいなかった。


かわりに、『銀狼』がいた。



目があったのがわかったんだろう。

銀狼は笑った。

面白そうに。


カチン。


頭きた、と同時に変なスイッチが入った。


一番入っちゃいけないスイッチ。



私は走るのを止めて、その場で銀狼と向き合うようにして仁王立ちした。


キッと睨まず、まっすぐ見た。