鞄を手に取ると、私は大きめな窓の方に行った。
(…ん?)
んん??
目の錯覚か、なんかカラフルな頭がいっぱい…。
私は目を擦って、もう一度外を見た。
……うっそでしょ…。
「はあぁぁ~…」
そこにはカラフルな頭をした男が、ざっと五十人強。
どこからどう見ても不良だ。
バイクの手入れをしたり、タバコを吸ったり、ケラケラ話したり。
(…私、不良の集会場にでもつれてこられたの?)
まぁ、じゃないとこの状況は説明がつかないよね。
普通の家に集まってるのは想像できないし、てかしたくないし。
「これは…どうやって脱出しよう?」
ここから逃げ出すことは、もう大前提だ。
「う~ん、この人数のなか飛び降りるのはすぐばれそう…」
しかもここ四階っぽいし。
普通に降りたら足イタタだよ。
ぐっっはあああ!って。
(う~ん…あ)
「扉あるじゃん」
ちょうどベッドの正面あたりにあった。
部屋から出るための扉。
まぁ、入るためでもあるんだろうけど、ここに入ることは二度とないだろうから、どうでもいい。