……暗い、冷たい。
すぐに夢だとわかった。
だって、毎晩見ているものだから。
「なんで!!どうしてあんただけがっ!!」
「ごめ、ごめんなさい」
「うるさいっっ」
これは過去。
私の夢は、私の過去をめぐる旅。
「あんたなんか―――よかったのよ!!」
女の人の声。
いつも一部分だけ聞こえない。
…聞きたくない、聞かないの間違いかもしれないけど。
でも、
「あんたなんかああああ!」
この女の人の声は、こわい。
「おねがい、ちゃんとゆうこときくから…」
震える、弱々しい声。
泣いてるのがわかる。
同時に、私の胸も苦しくなる。
「全部っっ!あんたのせいよ!!!」
ごめん、ごめんなさい。
ゆうこときくから、ちゃんときくから。
だから、もう――――
「うるさいっっっ!!!」
迫り来る彼女の平手。
乾いた音がした。
そして、夢が終わった。