―――シン。


部屋は静かすぎるくらい、静かになった。

…え、ちょ、逆に怖いんですけど、その反応。


内心ではそう焦っても、外見は平気を装った。


誰も身動きをしないなか、私だけが部屋の中に歩いて入る。


―――あ、

「「あ」」


二声の声がハモって聞こえた。

二つとも私の声じゃなかった。

…でも、つい最近聞いたことがある声だった。


少し、視線を横に動かす。


…マジですか…?


「あの時の!?」

「生意気な怪力女か…」

「…はぁ」


こんな偶然って…。

すごく気まずいんですけど!


ソコにはレンとアオイがいた。

レンの頬には保冷シートが貼ってあって、それがすごく…似合ってた。

フフッ、ガキ大将って感じ!!

ヤバイ、めっちゃ似合ってる。


「…かわいい」

「は、はあ!??」


…あ、またやっちゃった。

どうやら私は思ったことをすぐ口に出す癖があるらしい…。


怒らせた?


ちらって見たら、顔を赤くしたレンが立ってた。

…怒ってはなさそうだけど。

なぜ目をそらす。

そらしたのに何でチラチラ見る。

初恋乙女じゃあるまいし…。