思わず言っちゃったよ。

見上げると、男たちはポカーンてしてる。

…ぷ、アホ面。


顔を見たけど、昨日会ったら七人じゃない。


「…期待はずれ」

ボソッと呟いた。


「!?こ、このくそ女!」


男の左の拳が迫ってきた。


本当にすぐ殴り合いにするよね、君たち。

あの七人じゃなかったけど、この三人の顔には見覚えがあった。

多分、一回は殴ったことあるんじゃない?


不良とかヤンキーには近寄りたくなかったんだよね。

すぐ喧嘩になっちゃうから。

そうなったら、相手するのめんどくさいし。


え?

ならなんで来たかって?


それは―――


「!?」


…ただの気まぐれな、殴り込み。


「……」

右に拳を避けて、大きく一歩踏み出した。

それと同時に、自分の左腕を相手の首に…。


「ぐはっっ」


まぁ、俗に言うラリアットってやつ。


「…え?うそ?だろ」

「く、くっそがあ!」

殴りかかってきたもう一人を、すぐにかたずける。


「た、助けを!」


背を向けて走り出した最後の一人は、そのまま。

だって、私に喧嘩も売らなかったし、拳向けなかったもん。

でも逃げるなんて、男としてどうなのかな?


「…よし、いこっかな」


私は旧校舎に入っていった。