そう思った瞬間


「…おもしれぇ」


言い放たれた一言。



珍しく生き生きとした瞳。

口角の上がった唇。



「って、面白がってる場合じゃないですよ
追いかけないと、あの子、危ないめにあいますよ」

「…大丈夫だろ」

「…はぁ」


何を考えてるのか、長い間一緒にいるけど、未だにわからない。


私は頭の中で考えを巡らせた。

自分は何をすべきか。


でも結局、あの子なら大丈夫で終わってしまう。


他のメンバーもそうなのだろう。

誰もあとを追わない。

大丈夫、ということは、あの子の実力は認めてるってこと。


それは一種の信頼。

まぁ私たちが勝手に一方的にそう感じてるだけなんだけど。