空色の髪。

珍しいな~と思った。


「えーっと、レンはもう知ってるんでしたっけ?」


私は首を横に振る。

そういや、名字とか聞いてなかったや。

まぁ興味もないけど。

だから今日まで聞かなかったんだし。


「…寺島 蓮(てらしま れん)」

「だそーでーす」


寺島…ふーん。

いつかのとなり町の不良の名前と一緒じゃん。

偶然…じゃ、ないよね。

元々ガラ悪そうだし、喧嘩強そうだし(勝ったけど…)。


「一応、み~んな同クラで~す!」

「へー」

「あなたと」

「…へー…」


ビシッと指を指されたけど、私はスルーした。


そしたら、彼女は不思議そうに首をかしげた。

予想外って顔に書いてある。


「…別に、そんなことどうでもいいし」

てか

「もう帰っていい?」

「えっ!?」


いや、聞いてもないに自己紹介始めたのあなたでしょ。

名前は一応覚えたけどさ。


「もともと入る気無かったんで、帰ります」


栗橋流奈の制止を無視して、私はその部屋を出た。


――――パタン。


扉に寄りかかる。


…追いかけてこないんだ。

別に、いいけど。

来ない方がこっちは楽だし。


私はそのまま旧校舎を出た。