なんでここにいるんだろう。




浮かんだその疑問は極ありきたりな物で、この状況だったら誰でも考える疑問。


だから私は直ぐに頭から消し去った。


理由なんてどうせかっこよかったから、とかそんな事だろうって適当に考えて。

それに、どうでもいいし。


私には関係のないことだ。



「――はいっ、じゃあ次に赤星 聖也(あかほし せいや)」

「お!俺か」


赤髪の子だ。

前髪をカチューシャで上げてて、見るからに元気&明るい少年だ。

聖也、ね。

よし、覚えた。


バチっと、目があった。

ニカッと笑って



「これからヨロシクな!」



だって。

ヤバイ、めっちゃいい人そう。


「…はい」

ちょっとだけ、何て答えるか迷った。


私、入る気無いんですけど。

そこにいる人の勘違いというか…。


でもせっかく向けらられた親切心を踏みにじれるほど、私の心は冷酷ではなかった。


はぁ、私ってこういうのに弱いのかも…。