フッと、誰かが笑った気がした。
「自分のたち位置をちゃんと理解してるんだな。
なにより、折角の番犬だ。
バカじゃぁ話にならない」
銀狼だった。
そりゃぁ私だって聞きたい。
でも、引かれてる境界線の向こう側に行こうなんてことはしない。
無理に距離を積めようなんて思わない。
そんな酷なこと、彼にできない。
……ちょっと待て、番犬って何!?
言い返そうとしたら後ろの扉が開いた。
「―――理子!?」
入ってきたのは三人。
さっきの女神にあのメッシュの男、レンだ。
「来たな、座れ」
銀狼がそう言うと、レン以外の二人はそれに従って座った。
レンは眉間にシワを寄せて私を見てる。
…Why?
「レン」
アオイが声で促す。
それでもレンは動かなかった。
「レン」
銀狼が言った。
静かな声だけど、その中に有無を言わさない圧力があった。
レンは渋々、それに従った。
「――さて、全員揃ったことですし、自己紹介しましょうか」
そう言って猫目の美女がその場で立った。
トップバッターは彼女らしい。