女神は空色の髪を耳にかけると、携帯を取り出した。

「レン達にも来るように言っておくわ」

と、席を立った。


「あぁ、頼む」

女神は私にもう一度微笑むと、音楽室を出ていった。

…ああいう人を、八方美人って言うのかな?

足細かったし長かったなぁ。

私にはない女性っぽさがあった。


「…はぁ」


思わず出たため息。


「わかりますよーその気持ち」

猫目の美女がニコッと笑った。

「美人ですよねぇシオリは。あの胸分けてほしい!
しかもめっちゃいい人って、神様ってホント贔屓っていうか」

「はぁ」


私はまた、ため息をつく。

あなたに言われても…。


「…何ですか?」

猫目の美女は眉間にちょっとシワを寄せていった。

…この人は、自分の容姿をよく理解してないのでは?


「…あなたもかなりの美人ですよ、私から見たら」