そんなこんなで時間は経ちHR開始時刻になった。

担任の宰相は"ど"が付くほど真面目な性格だ。必ず授業開始のチャイムと同時に教室のドアを開ける。それは今日も同じだった。

ただ普段と異なっている点は、後ろに背の高い男を引き連れていることである。

私の席は教卓から向かって右側の奥。つまり、漫画や小説でいう不良のポジションである。(消して私は不良ではない)

それに、転入生は軽く俯いているため顔を見ることは困難だった。

宰相と男は教卓の横に並んだ。

「えーっと、前々から言っていたように、G組に転入生がやって来ました。ほら、顔をあげて」