「俺情けないよな。レストランも連れていけないなんて。」

「仕方がないよ。どこも混んでいたんだから。」

慰めていると彼が急に空をみた。

「あ、、、空が綺麗だよ。」

つられて空をみた。

雲ひとつない星空が広がっていた。

無数に輝く星の数々。

「....綺麗」

思わずそう呟いていた。

こんな星空を見るのはいつぶりなんだろうか。

「俺たちが付き合った日もこんな空だったな。」

付き合った日って...

「.........して」

「え?」

「どう...して今でも覚えてるの?どうしてあのとき冷たい態度をしたの?どうして無視したりしたの?どうして....どうして....」

気がつけば私は次々に言っていた。

「俺さ本当は香歩とは別れたいなんて思ったことなかったんだ。」

思ってもなかったことを言われ少し驚いた。

「香歩といるとすっげー楽しくてさどこかで嫌なことがあっても香歩といるだけで嫌なことも忘れさせてくれた。別れたいなんて思ってなかったんだよ。でも...」

真琴くんが急に悲しそうな顔をした。

「でも?」

「香歩を守るためには仕方がなかったんだ。」

私を...守る?

「今から言うことをちゃんと聞いてほしい。」

悲しそうな顔をしながらとても真剣な目をしていた。

「わかった。」

私は頷いた。