「麦と、何か約束してたの?」




「あ、うん。駅前に出来たクレープ屋さんに行こうって話してたんだ。」



視聴覚室で委員会までの道のり、トモとのおしゃべり。


麦ちゃんとスイーツってことで、駅前のクレープ屋さんに行こうって話しになった。


今日行けないのはちょっと残念だけどね。




「合間悪かったよな、放課後に委員会ってさ。」




「うん、まぁ。決まり事だし。トモにだけ任せられないよ。」




「相原って真面目だよな。・・・本当は委員決めるときも俺が無理やり相原指名しちゃったからな。責任感じてるよ、ちょっと。」




トモは少し遠慮がちに私を見ると、苦笑いをした。




「まぁ、最初は戸惑ったよ。」




私が言うと、トモは申し訳なさそうにする。



本当は、トモに委員会やらね?って言われて嬉しい自分もいたりするんだけどね。




「トモのおかげで、ちょっと高校生活が明るくなった気がする。」



「ふ、相原って大袈裟だな。始めて会ったときとは印象がだいぶ違うよ。あ、いい意味で。」



トモにどんなところが違う?って聞いたらもっと怖い人なのかなって思ったって言われた。


怖い人かぁ・・・・・



トモは気さくだからこんな私にだって分け隔てなく話してくれる本当に明るく接してくれる人なんだなぁ。




だけれど、トモとは二年生になってから同じクラスになったんだよね。


「実は俺、一年の時、相原と一緒の委員会だったんだよ。」





「・・・え、そうだっけ?」




一年の時はくじ引きで、柄にもなく保健委員になったんだよね。


トモもいたんだ。




同じ中学の子も誰もいなくて、気がついたら周りにはグループができ始めてたっけな。


ちょっと惨めで、寂しい一年間だったなぁ。



私は全然記憶になくて、申し訳なさそうにする。



「俺一年の頃は分厚いメガネしてたから、相原気が付かなかったんじゃないかな。」


「そうなんだ。今はコンタクト?」



「うん。」



一年の時は、周りを気にする余裕なんてなかった気もする。


コミュニケーション能力なくて悩んでたっけ。