この頃から、薄々気づいてはいたんです。

段々、人に気付かれにくくなったことに。

勿論、大の友達だった子は、

私の存在に気づいていました。

ですが、次第に私の事を見向きもしなくなりました。

誰も私が最初から居なかったかのように。

私が声を掛けても、叫んでみても、

気付いてはくれませんでした。

私は怖くなり、それ以来部屋に籠りがちになりました。

誰かが悪い訳じゃない。

自分が、あんなことを願ったから悪いんだ。

頭では分かってたハズなのに、

私は精神的に参ってしまいました。

名前だけ存在してるかのような、

幽霊みたいな私。

神様ってズルいんです。

わざわざ、こんな私の願いを聞くなんて。

それに、私は居なくなりたかった訳じゃない。

一緒に、家族皆で笑って過ごしたかっただけだったのです。

私が産まれた時のような、静寂の夜が、

心の中で嘲笑っているようにしか思えませんでした。

そんなの、絶対に嫌だ。

叶うハズもないのに、

思ってしまうんです。

『だれか、私に気付いて!!!

独りぼっちは嫌だよ。

だれか、私を助けてよ。』

何度も何度も何度も、泣いて、

訳がわからなくなって、

次第に瞼が重くなって、

ゆっくりと眠りについたのでした。