「きゃー!ひったくりよー!!」



閑静な住宅街の朝。
そこに似合わない悲鳴が上がる。


私たちの横をフードをかぶった男が走り抜けていく。



「ひったくり?」

「さっきのね!」




私はとっさに男の後を追う。
男は住宅街を抜け、土手を駆け上がる。


私はその後を追いかけ、後ろから思い切りとび蹴りをくらわす。



「ぐあっ!」



男はそのまま土手を転がり落ちていく。
私は転がり落ちた男を追いかけ土手を降り、男から女性もののカバンを奪い返した。


交番のお巡りさんがちょうどやってきて大手を振り呼ぶ。



「君!危ないじゃないか!」



男を拘束しながらお巡りさんが怒鳴った。
私は、シュンとなり頭を下げる。
思わず、身体が動いてしまった。