会場は人が多くて。
露店も並びとても賑わっていた。




「あら、日高さんに結城くん!」



そんな人ごみの中呼ばれて視線を移すと、学校のクラスメイトの女の子たち。
快斗の事を好きな中野さんのグループだ。

中野さんは、快斗が好きでいつも私を目の敵にしてくる。



「あら、二人で来てたの?せっかくだから、一緒に回らない?」

「え・・・」

「ね、いいでしょう?結城くん」

「え、あ、ああ」



快斗は優しいから、絶対に断らない。
そのことを知っているから強気でこれるんだ。
私はムッとしながらそれでも、快斗が決めることだと思って黙ってた。




「結城くんと日高さんって幼なじみなんでしょう?」

「そうだよ」

「結城くんも、大変ね。日高さんなんかが幼なじみで」

「・・・なんで?」



さすがの快斗もその言葉にピクリと眉を動かした。
悪意のある言い方に私も眉間にしわを寄せた。