「私は、こんな髪、嫌いなのに!」




酷いことを言っているのはわかってる。
お母さんは、それでも私を好きだと言ってくれているのに。




「千菜さんは、由羅の家族だろう?大切なお母さんじゃないか」

「そうだけど・・・」

「由羅は、千菜さんが嫌いなのか?」

「そんなわけない!好きだよ!好きだけど・・・」

「千菜さんは、由羅の事本当に大切にしてるよ。愛してるんだって。千菜さんの事、信じてやろうよ」




快斗が私の頭に手を乗せ撫でてくれる。
私は、目を閉じ気持ちを落ち着かせる。




「ごめん・・・快斗」

「いいって。ほら、花火始まるぞ。行こう」




快斗は優しい。
いつだって、暴走する私を落ち着かせてくれるのは快斗だ。


私も、もう少し冷静になりたい。