暫らくすると後ろの方からムラカミの声がした。
ムラカミ「もっちゃん、前行ってエエぞ〜」
どうやらムラカミも降りたらしい。オレはまた懐中電灯を前にし、這い進んだ。
20メートル位進んだ頃、土管の分岐点に辿り着いた。左に行くと学校裏の新興住宅街の方に行く。右に進むと本管だ。本管に行く方の管は奥に行くに従って緩い勾配になっているけど、今通ってきた管より大きくなっているので動くのが楽になる。楽と言っても、這っていたのがハイハイに変わるだけだけど…
オレは右方向に進みちょっとした段差を降りて、本管に繋がる管を進んで行った。この管からは水がちょろちょろ流れていて、できるだけ水に触らないように膝をハの字に開いて進む必要があった。暫く進むと、前方から大量の水が流れる音が聞こえてきた。
ナオキ「なんやっ?なんの音やっ?」
直ぐにナオキが反応した。
オレ「本管の音や。川みたいに流れとるで、臭いも凄いけどな…」