ムラカミは懐中電灯を取出し、オレに手渡した。
ムラカミ「今日はハゲ山コースで行こかっ 先頭頼むでもっちゃん」
オレは野球帽をくるりと回し、キャッチャースタイルにすると、足の方から土管の中に埋めていった。真夏だというのに、この狭っ苦しい土管の中はひんやりしていて気持ちいい。
オレ「とりあえず本管まで行くんやな?ムラカミ」
本管というのは、ここから暫らく這って行くと繋がっている少し大きめの土管で、いつもこの本管を基準にして、枝分かれしている土管を探険している。
ムラカミ「おうっ、とりあえず本管なっ」
オレが土管に入って暫らく前に進むと、ナオキ、まこっちゃん、ムラカミも後に続いて入ってきた。
ナオキ「狭いけど、涼しいやんけ、ええのォ、おもろいの」
ナオキがオレの足下で一人はしゃいでいる。
オレは懐中電灯を前に押しながらずるずると這い進んで行った。