4人が入り口の前に揃って見ると、真新しい土管の上に丁度人が入れる位の穴が開けてある。
まこっちゃん「今日の順番はどうすんの?」
土管の中はとにかく狭いので、中に入る時は一列になって這いながら進むのが基本だ。しかも行き止まりに当たる事もしょっちゅうだから、行き止まりになるとターンが出来るトコまで後ろ向きに這い進む事になるから、先頭と最後方はいつも土管熟練者のオレかムラカミの役目だった。新しい発見をするのは先頭の特権だが、リスクも高い。
なんせ真っ暗闇の中を進む訳だから1メートル先に何かが潜んでいても、反応する事ができない。
ムラカミもオレも土管の中で青大将には3回ずつ位咬まれてるし、手のひら位の大きな蜘蛛がTシャツの中に潜り込み、体中を這い回ってくすぐったいと思ってたら、何かの拍子で背中と土管に挟まれて潰れてしまい、土管を出るまで嫌な感触を背中に背負ったままだったり…
ムラカミ「オレこの前先頭やったから、今日はもっちゃん行けや。2番は初めてのナオキやな」
まこっちゃん「じゃあ、僕は3番やね」
ムラカミ「決まりや、ほな行こかっ」