和美との交渉が密かに終わり、ムラカミ達の方を見ると、真紀とムラカミの対決も、そろそろフィナーレを迎えようとしていた。
ムラカミ「女は早よ帰って、お人形さん抱っこしてテレビでも観とけっ!あほっ!」
真紀「オマエの方こそ、早よ帰らんとママがオムツ持って捜しに来るぞっ!ぼけっ!」
……終ったな。
双方いつもの捨て台詞を吐くと、二人ともプイッと後ろに向いた。
真紀「和美ちゃん、行こっ! バイバイ、上野くん」
真紀は和美の腕を引っ張りながら、まこっちゃんに手を振った。
ムラカミ「パイパイ、上野くんやてっ!アホけ、オッパイも無いくせにっ!カカカカッ!」
ムラカミは真紀達に手を振ってケタケタ笑った。
真紀はムラカミをキッと睨むと、「うっさい、ボケッ!」と唸り、和美と腕を組んで校舎に向かって歩いて行った。
ムラカミ「ったく、むかつくヤツやで。あのボケ、いつかしばいたんねん。」
ムラカミは遠ざかる真紀に聞こえるように最後の追い討ちをかけ、ぽかんと口をあけて見ているオレらに向かって、「ほな行こか?」と言うと、扉に向かって歩きだした。