いつからだったんだろう。

お父さんとお母さんのめが、暗く、鋭くなっていった。

ほとんど毎日のように喧嘩してたし、離れて行ってるのが幼いながらにわかった。


小5の夏休み。

お母さんから聞かれた。

「お母さんはこの家出ていくけど、あんたたちはどうする?」

あんたたち、とは、私と、下の妹2人のこと。

2つ下の華(はな)と、5つ下の明(あきら)、そして私、侑望(ゆうみ)。

私は、お母さんについて行くと即答した。

少し前からクラスでは浮いていたし、陰口だってしょっちゅうで。

正直、小学校に通いたくなかったんだ。

華と明も、ついて行く事にしたらしい。

2人とも、両親の喧嘩を見るのは嫌だったんだろう。

お父さんや、一緒に住んでた祖父母にバレないように荷物をまとめて、必要最低限まで物を減らして。

8月23日、誰にもサヨナラを言わずに、家を飛び出した。