必死にかばう私の思いが伝わったのか、翼は手を離した。



「ごめんね、伊藤君。大丈夫だった?」


「ケホッ、ケホッ………。まぁ、なんとか?」



とりあえず保健室にでも連れて行こうとしたら、翼が私の手を引いた。



「夏姫、行くぞ」


「え、ちょ、翼!」



力で敵うわけもなく、ズルズルと思うままに引きずられた。



「い、伊藤君!助けてくれてありがと!これ、冷やして使ってー」