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「おはよ、なっちゃん」



……教室に向かう途中、不意に声をかけられた。


同じ声、でもどこかほんのり甘い声。



「…………おはよう、蜜姫」



いると思った。



「あのね、なっちゃんに内緒だったんだけど。あたし、この学校に転入することにしたんだ」


「…………ぇ」



さすがにそれは想定外だった。


だって…………。



「蜜姫、今、モデルしてるんでしょ?」



そう、蜜姫は今アメリカでトップモデルを目指してる。


昨日、お父さんは確かにそう言っていた。



「うん、モデルももちろんあたしの夢だけど、あたしにはもう一つ、夢があるから」


…………もう一つの、夢。


双子だからかな。


蜜姫のこの先の言葉を、感じ取った。



「………翼の、お嫁さんになるため?」


「ピンポーン」