本当は、伊藤君にもらった勇気で、お父さんと分かり合えおうと思ってた。


なのに一目見ると、何年もの想いがどうしても溢れ出てしまう。


…………こんなだから、いつまでたっても私は愛されないのよ。



「…………夏姫」



数秒間の沈黙の後、お父さんは低く言った。


手が、震える。


私はまた、この人に________。



「お前は、変わったな」


「…………ぇ?」