「変わんないね、なっちゃんは」 香りたつような甘い声が、後ろから聞こえた。 忘れていても、一瞬で引き戻される、 愛しくて、憎い人の声。 世界でたった1人の双子の妹、蜜姫の声…………。 「なつかしいな、ここ。あたしとなっちゃんか最後に会った場所だよね」 フフ、と笑い、蜜姫の短くなった髪が揺れる。