「ここ、どこ?」


「病院だ。2人とも、自転車にぶつかってな。あ、お母さんがお前たちのためにプリンを買ってきてるんだ」


「え、プリン?」


「夏姫も蜜姫も、プリン大好きだもんな」



…………嬉しかった。


お父さんと会話ができて。


お父さんが私を心配してくれて。


親子として当たり前のようなことだけど、私はすごく嬉しかった。


ふと、お父さんは隣でまだ眠っている蜜姫に目を向けた。



「蜜姫はな、夏姫を助けてくれたんだよ。おかげで2人とも、命に別状はなかった。………ちゃんと蜜姫に感謝しろよ?」



途端、胸が苦しくなって目を逸らした。