それからときは経ち、季節は冬に変わっていった。
クリスマスが近づき、世界は幸せに包まれていたころ。
事件は起きた。
それは、私と蜜姫の2人でおつかいに出かけていたときのこと。
「なっちゃんとおつかいにいくの、久しぶりだね」
「うん!」
とりたて仲の悪かったわけでもない私たちは、手を繋いでスーパーに向かっていた。
…………そのとき。
「危ない!!」
よそ見していた自転車が突っ込んできた。
「……き…………夏姫!」
「…………ん」
気がつくと、私は病院にいた。
「お父……さん?」
「あぁ、夏姫、目が覚めたのか」
お父さんはホッとしたようにイスに座った。