8歳、小学3年生の夏のことだった。 この日、私のピアノの発表会と蜜姫のバスケの大会がかぶっていた。 お母さんは、半分半分で来てくれた。 …………でも、お父さんはずっと蜜姫のことを見ていた。 「あら、夏姫が頑張ったこと、お母さんは十分わかってるわよ?」 「………うん!」 顔はそっくり。 でも中身が真反対な私たち。 明るくて素直な蜜姫は大人にも友達にも愛されていた。