いや、それはありえないだろ、あの夏姫に。 でももしかしたら…………。 「………はぁ、考えてもしかたねーか」 そして俺は、なんとなく上を見上げた。 『翼君!悩んだ時とか、苦しい時とかは、上を見ればいいって、パパが言ってたよ!そしたら、笑顔になれるんだって!』 頭の中に、あの子の言葉が出てきた。 ………今、なにしてるのかな。 「…………蜜姫」 「上を見れば、笑顔になれるんだよね」