ブツブツと何かを言っていた小早川さんは、決意したように睨んできた。


…………目が、本気だ。



「さよなら」



冷酷で、低い、冷たい声。


感情もなにもない、憎しみで震えるハサミを持つ手。


鋭く獣のようで、なのにどうか呆然としているような瞳。


全てが、私に向けられている…………。



「い……や……」



情けない。


声が震えて風でかき消される。


小早川さんの右手が上がり…………振り下ろされた。