「ひっ…………うぅ…………」


「夏姫ちゃん、泣き止んでよ…………」



暑い夏の日の夜。


私の頭を君は撫でた。


暖かい、手のひら………………。



「うぅ…………パパ…………」


「夏姫ちゃん………………」



君は心配そうに私を見つめて、決意をしたように手を握った。



「じゃあ僕が夏姫ちゃんを守る!おじさんの代わりに僕が夏姫ちゃんのそばにいるからね………………!」


「………………本当?約束だよ…………?」


「うん!」



幼い私たちの、小さな小さな約束。


その日、幼なじみの君は私のヒーローになった。