そこからまた、私たちは違う話題になり歩道橋の階段をゆっくりと渡る。
「ねぇ聞いた?今度駅に新しい服屋さんがオープンするんだって」
「えぇー!まじで!?千紗ぁ!行こ!」
「しょーがないなぁ」
なんて、どうでもいい会話をしながらゆっくり階段を降りていると、
「ぎゃあああ!あぶない!」
という声とともに、誰かがぶつかってきた。
それは運悪く、たくさん下校している中の私で。
「うぉぇえ!?」
変な声を出してしまったことに若干後悔する中、後ろをみると、さっきのメガネ争いの女子の子がいた。
「あてて……っあ!ごめんっす!って、菜都ちゃんじゃん!ちょっと、これ預かって!」
渡されたのは、メガネ。
おそらく、あの男子のものだろう。
ってか、なんで私のこと知ってるの!?
って思ったけど、そこはなぜかつっこまないでいた。