私の初恋は、中学1年のじめじめとした梅雨の時期。
まだ慣れない中学校生活で、おどおどしながらも楽しく過ごしていた頃。
私の想いは生まれた。
それは、中学校の下校中。
「ちょ、ちょっと!俺のメガネ返してよ!!!」
「やーだーねー!」
そんな声が聞こえる中、私はいつも一緒に帰ってる友達と話しながら帰っていた。
「元気だねぇ」
隣で微笑ましく、私たちの後ろで繰り広げられるメガネ争いを見つめながら
桜木 千紗(さくらぎ ちさ)
は呟いた。
「ほんとにね」
そして私、
新垣 菜都(あらがき なつ)
もその光景を見つめていた。