「ねぇリン。ここ……さっきも通ったよ?」

『でもちゃんと地図みたですの!間違えるわけないですのー』

「もう時間もないし、誰かに……」

『大丈夫ですの、こっちですの!』

「リン!?」



詩ノ森学園の校門前に立っていた学生から地図を貰い、少女が自分の妖精に道案内を任せたところ、余計道に迷ってしまった。



少女は慌てて後を追う。



一方旭と蒼馬は。



「……旭。今日何があるか、わかってるんだよな」

「盟約式でしょ?代表者なんですけどオレ」

「そのわりに、全然急いでるようにみえないんだが?」

「当たり前だよ。急いでないから」

「は――……どうなっても俺は知らんぞ」



蒼馬は長いため息を吐く。



どうしてこいつが代表者なのか。今だに幼馴染みでも理解できない。